KBCで過ごす中で、子どもたちは様々な経験を重ね、毎日一歩ずつ成長。
「KBCものがたり」では、キッズコーチや保育士、栄養士たちが、キラキラ輝く子どもたちの成長の姿を記しています。
たくや君は、KBCでも家でも甘えん坊の小学3年生の男の子。口癖は、「僕、できないからやって~」。
荷物の整理やおもちゃの片づけの時間になると、いつもこの口癖で甘えてくる。
しかし、今年のサマーキャンプでは、3年生として、1・2年生の子ども達のお世話をする役割もあり、甘えられない立場になってしまった。
キャンプ当日は、集合場所まで大きな荷物をお母さんに持ってもらって登場。
バスの中でも「僕できない~」と、何かとキッズコーチに頼ることが多く、いつもの甘えん坊のたくや君だった。
そしてキャンプ2日目。川遊びをするため、子ども達はみんなライフジャケットを着用する。
ベルトをうまく止めることができない1年生の子どもたちが、たくや君の元に集まってきた。
たくや君は、「キッズコーチに言ってよ~」とはじめは逃げ腰だったが、状況を理解したのか、
「も~」とブツブツ言いながら、1年生の子ども達のライフジャケットがきちんと着用できているか、全員分チェックしてくれた。
それをきっかけに何かのスイッチが入ったかのように、
食事やお風呂、就寝の時間まで、常に下級生を気にかけて、私たちのサポートをしてくれた。
最終日には、下級生が全員バスに乗り込んだことを、私に報告してくれるほどだった。
サマーキャンプの3日間でガラッと変わったたくや君は、
迎えに来たお母さんに開口一番、「荷物は俺が持つから!」。
思わず、私はお母さんと顔を見合わせてしまった。「お、俺!?」
今まで「僕」と言っていたのが、「俺」へ変化しているのと、
今まで自分で荷物を持つことなんてなかったたくや君に、お母さんはただただ驚いていました。
みんなの前だけ格好つけているのかと思ったら、
家までちゃんと自分で荷物を持って帰ったそうだ。
「ちょっと寂しいけど、子どもの成長ってすごいですね。」
とお母さんがしみじみ話をしてくれた。